こんにちは、ヘアードレッサー関田です。
先日は待ちに待った一年越しの全日本美容技術選手権大会本戦が高崎アリーナにて開催され、東京代表として日本のトレンドを背負い出場しました。
結論から言いますと、
結果は入賞ならず、、、
悔しい結果に終わりました。
日本大会、東京代表というものすごい重圧の中全力を出し切った自負はあります。
トレンドとは人それぞれに解釈のあるものであり選出は非常に難しかったと思います。
第50回目と、歴史ある大会故にこれまで積み重ねられてきた体制、新種目だった事もあり明確なガイドラインを運営側も模索した部分があったのかもしれません。
応援してくださった皆様、本当にありがとうございました!
ここで僕の作ったスタイルを細かくご紹介していきます。
"第50回全日本美容技術選手権大会"
種目[フリースタイルカット]
テーマ"トレンドスタイル"
・競技要項
"必ず"事前にパーマ(ストレートパーマは禁止)、カラーリングを施したモデルに施術を行うものとする。
カット及びブローでトレンドスタイルを製作するものとする。
審査は全体的なトータルバランスで行うものとする。
仕上がりは、芸術的であったり、凝りすぎていてはならない。
カット&パーマ
・今季トレンドであるレイヤーカット(段カット)に合わせ、毛先のニュアンスを出すためのパーマを事前施術
明るめのカラーリングに設定予定だったので髪の負担を考慮した優しめの薬剤を使用(ブリーチなどを繰り返した髪の毛にはパーマがかからないため)
・レイヤースタイルは、まとまりこそ出ないものの、毛先のニュアンスや、日常に溶け込むしなやかな動きを出すのに最適なカット技法
今季トレンドであるレイヤーカットの流行は遥か遡る事、昭和の時代聖子ちゃんカットなどにまで至る普遍的なカットスタイルです。
ベースカラーリング
・カラーリングは、カットのレイヤー(段)に合わせて毛先にグラデーションカラーを入れます(この時にダメージを最大限抑えながら脱色していきます)
・ベースの脱色が終わったら上からスモーキーで妖艶なイメージのグレー感のあるベージュを被せて完了です。
トレンドのカット技法を生かし、連動させるカラーリング
モデルの顔立ちがはっきりしている事も考慮し、あえてフェイスフレーミングカラーなどは使わずにクラシックなグラデーションカラーでパーソナルな施術をしました。
衣装
イッセイミヤケ プリーツプリーズ
日本を代表し世界で活躍する誇り高きブランドをセレクトしました。
今の時代、最大のトレンドとは、『その人に合った本質的な髪型』の提案だと考えています。
このトレンドはもはやヘアスタイルには留まらない、言わばこれから一人一人が身につけていかなければならない概念のようなものと認識しています。
流行に流されない、時の試練を越えた、長く愛されるヘアスタイルこそ令和のトレンドと考えます。
そのベースとなる時代のトレンドに、レイヤー(段)を組み合わせたハイブリッドなトレンドスタイルを作りました。
僕はHAIR DIMENSIONという老舗有名サロンで修行を積み、その時に体得したカット、代表の飯塚先生が大切にしていたカットがレイヤーカット。飯塚先生は聖子ちゃんカットの生みの親です。
そんな、技術に厳しい環境下で育った僕だからこそ出せる細やかなレイヤーカットがあります。
時代は巡り、またあの時のレイヤーカットというトレンドが戻ってきたタイミングでの今回の大会でした。
今の時代、美容に限らず目新しくまだ見たことのない物、に出会う確率は限りなく少なく感じます。
ほぼ全て出尽くしているのではないでしょうか。
では、そんな中どう差別化をはかり、戦っていくのか。
それは"組み合わせのセンス"です。
俳句を作るように、その瞬間やその人に合ったものをあるものから組み合わせて作っていく。
そのためにセンスを磨き続ける事。
これこそが、2022トレンドスタイルの真髄なのではないでしょうか。
私たちは立ち止まることはできません。
模索し新しい物を作っていかなければならないと思います。
これまでの流れに身をまかせては何も始まらない。行動し、表現し続ける事。
これからも挑戦を続けていく事が肝要だと改めて強く思いました。